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2020年3月号

国内におけるロタウイルスワクチンの効果と腸重積症のサーベイランスに関する最新情報

ワクチン導入前後で、ロタウイルス胃腸炎による入院率に有意な変化がみられている ■ワクチン導入前のロタウイルス疾病負担 ワクチン導入前の国内における5歳未満児のロタウイルス胃腸炎入院率の調査は、調査地域や年度によってばらつきがあるが(表1)、米国や英国などの海外諸国と同程度の入院率であった。いくつかの疫学データ上、国内では年間80万人が医療機関を受診し、うち26,000~78,000人が入院加療を要し、数~10名が死亡する疾病負担を有していた。 表1. ロタウイルスワクチン導入前の5歳未満児のロタウイルス胃腸炎入院率 文献1)より作表 ■臨床試験 ワクチン市販前の国内臨床試験(ランダム化比較試験)において、重症下痢症に対するVaccine efficacyは1価ロタウイルスワクチン(RV1)で91.6%(95%CI: 6.4-99.1%)、5価ロタウイルスワクチン(RV5)で100%、すべての下痢症に対しては、RV1で79.3%(95%CI: 60.5-89.8%)、RV5で74.5%(95%CI: 39.9-90.6%)と、重症下痢症に対してより高い効果があることが示された。 ■市販後のVaccine effectiveness(VE) 実地臨床におけるVEは、佐賀や秋田から報告されており、5歳未満児のロタウイルス感染に関連した入院に対するVEは76.8%(秋田)、86.6%(佐賀)であった。また、重症下痢症に対しては97.3%(佐賀)と、臨床試験同様の高いVEを示す報告がある(表2)。 表2. ロタウイルスワクチン市販後の5歳未満児のロタウイルス感染入院に対するVE(Case-control study) 文献1)より作表 ■入院率の変化 ワクチン導入前後の5歳未満児のロタウイルス胃腸炎による入院率を解析した報告がいくつかある。岩手県気仙沼地域では、東日本大震災後の2012年から予防接種費用の公費助成が開始され、2013年には接種率95%の状況下で入院率は84%減少した。三重県津市における調査では、導入直後に比べて2013~2015年には85.7%の入院率減少が認められた。名古屋市における調査では、導入前後で入院率は35%の減少を呈し、秋田県由利本荘地域では導入後2シーズンを過ぎた頃から入院率の減少を認めるようになり、ワクチン開始前10年間との比較で、2014~2017年3シーズンの平均入院率は76%減少した(表3)。 表3. ワクチン導入前後の5歳未満児のロタウイルス胃腸炎による入院率の変化 文献1)より作表 ■年長児への効果 接種対象年齢外の年長児への間接効果については、入院率が減少するという国内外の報告と、有意差はないとする国内の報告があり、評価が分かれている。2020年10月から定期接種化が予定されているが、今後、接種率の向上により、集団免疫効果が明確になる可能性は高いと考えられている1)。 腸重積症サーベイランスのアップデート ロタウイルスワクチンの副反応として、海外で過去に使用されていたワクチンの経験から腸重積症が知られており、ワクチンとの明確な因果関係は解明されていないが、国内外で腸重積症の発生動向が調査されている。 国内では、全国9道県の小児科入院施設のある医療施設の協力により、ワクチン導入前後の1歳未満の腸重積症による入院例の調査(腸重積症サーベイランス)が2012年から行われている。なお、今回の解析は、導入前の2007~2011年は後ろ向き調査、2012~2014年9月までは前向き調査として行われた。 解析対象は、計3,424例(導入前: 2,352例、導入後: 1,072例)である。全体に占める6か月未満児の割合は、導入前: 6.3%、導入後: 7.5%であった。1歳未満の月齢分布を図に示す。導入前後で比較すると、観察期間、報告数が異なるので単純な比較はできないが、導入前後ともに月齢3か月頃より報告数が増える傾向が認められた。1歳未満の発症率は、導入前: 92.2例、導入後: 83.4例(いずれも対10万人・年)であった。月齢別に発症率を比較すると、月齢3, 4か月児でリスク比がそれぞれ1.67, 1.21と高くなっていた。しかし、95%信頼区間を考慮すると、統計学的に有意とは現段階では結論付けられない。 図. 腸重積症サーベイランスに報告された患者の月齢分布 文献2)より 腸重積症に対する治療は、導入前は、報告例のうち、非観血的整復: 92.5%、観血的整復: 5.1%(120例)で、死亡報告は3例(0.1%)あった。一方、導入後は、非観血的整復: 92.9%、観血的整復: 5.8%(54例)で、96.1%の症例が合併症を認めず回復しており、死亡例の報告はなかった。 以上の結果より、国内におけるロタウイルスワクチン導入前後の腸重積症の疫学に今のところ大きな違いは認められていない。ただし、ワクチン導入後の方が月齢3か月の報告症例が統計的に有意ではないが増加していた。今後ロタウイルスワクチンが定期接種化されるに当たり、本サーベイランスを継続し腸重積症の有意な増加の有無についてモニタリングするとともに、より質の高いサーベイランスの実施が求められる。また、ワクチン導入前後でともに、腸重積症は生後3か月頃から増えることが示されたことから、紛れ込み例を少なくするためやワクチン効果を最大限に引き出すためにも、初回接種時期は厳守すること、また、保護者にはワクチンの効果だけでなく、接種後に腸重積症がごくまれに起こることなども説明することが大事である2)。 参考文献  国立感染症研究所ほか: IASR. Vol.40 p212-213, 2019年12月号.  国立感染症研究所ほか: IASR. Vol.40 p213-215, 2019年12月号.

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