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1  インフルエンザワクチンの接種回数と2回接種の場合の接種間隔についての考え方を教えてください。また、接種時期はいつがよいでしょうか?

2  今シーズンのインフルエンザワクチンとワクチンの有効性について教えてください。インフルエンザの予防には、ワクチン接種を毎年継続したほうがよいですか?

3  不活化インフルエンザワクチンの接種にあたり、薬剤(免疫抑制剤や抗がん剤、γ-グロブリン製剤、抗微生物薬など)、他のワクチン、麻酔との関係や注意点について教えてください。

4  小児におけるインフルエンザワクチンの用法・用量と有効性・安全性について教えてください。

5  他のワクチンとの接種間隔はどのように考えたらよいでしょうか?また、同時接種について教えてください。

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2019年11月号

ポリオ根絶に向けたポリオウイルスのバイオリスク管理

新しいポリオ根絶戦略計画とポリオウイルスの封じ込め WHOなど官民パートナーシップによる「世界ポリオ根絶イニシアティブ(The Global Polio Eradication Initiative: GPEI)」は、本年、「ポリオ最終段階戦略計画2019-2023(Polio Endgame Strategy 2019-2023)」を公表した。この新しい根絶戦略計画では、3つの目標が掲げられている。 目標1: 根絶(すべての野生株ポリオウイルス(WPV)の伝播遮断、すべてのcVDPV*1のアウトブレイクを検出から120日以内に阻止し、将来のVDPVs*2の出現リスクを排除する) 目標2: 統合(ポリオ根絶を達成・維持するための予防接種や保健システムの強化、VPD*3や他の感染症のサーベイランスシステムを包括的に統合させた感度の高いポリオウイルスサーベイランスの確保、アウトブレイクや緊急事態への備えと対応) 目標3: 認証と封じ込め(WPV根絶の認証、すべてのポリオウイルスの封じ込め)である(図)。 このなかで、目標3の「封じ込め」とは、過去のGPEIの戦略でも重要とされ、また、「ポリオ根絶・最終段階戦略計画2013-2018」でも目標に掲げられていたもので、ポリオウイルスを取り扱う施設ではウイルスの適正管理を徹底し、地域社会への流出および伝播・再興リスクを最小限にすることを指す1)。 効果的なポリオウイルス封じ込め達成のための戦略や方法をまとめたものが「ポリオウイルス病原体管理に関する世界的行動計画第三版(GAPⅢ*4)で、2015年5月の世界保健総会で採択された1)。GAPⅢでは、世界中のポリオウイルス取り扱いの施設を、診断・研究・ワクチン製造などに関わる必須機能を遂行するために必要とされる、最小限の認証された施設(Poliovirus-Essential Facilities: PEFs)に限定すること、また、PEFsでは、GAPⅢに示されたバイオリスク管理標準に準じてポリオウイルスを取り扱うことを求めている(図)2)。 図. ポリオ最終段階戦略計画目標とGAPⅢ 文献1, 2)より作図 世界におけるポリオウイルス封じ込め活動の進展状況 PEFsの施設数は、可能な限り削減するよう図られており、2016年には100施設以上がPEFs認証の取得を予定していたが、2017年のPEFs数は86施設、2018年は81施設、2019年は8月1日時点で74施設となっている。この74施設は26カ国にあり、うち25カ国で、施設の監視や認証を行う国家機関(National authorities for containment: NACs)が設立されている(表1a)。 PEFsのポリオウイルス封じ込め認証は、2016年に公表されたGAPⅢ-CCS(Containment Certification Scheme)に定められた認証プロセスに則って行われる。すべての指定されたPEFsは、NACsを通じて2019年12月末までに認証プロセスに登録することが求められており、これまで7つのNACsが13件の申請書を世界ポリオ根絶認証委員会(Global Commission for the Certification of the Eradication of Poliomyelitis: GCC)に提出した3)。 現在、特に2型のポリオウイルスが病原体バイオリスク管理の対象となっている4)。世界における2型ポリオウイルスの保有施設数の内訳は、表1b、表1cの通りである3)。日本でも厚生労働省が不必要なポリオウイルスの廃棄依頼やポリオウイルスの保管状況調査を実施し、また、PEFsに望まれる施設要件などの検討を進めるとしている4)。さらに、2019年後半に野生株3型ポリオウイルスの根絶宣言が出される可能性があるが、根絶認証後は3型ポリオウイルスについても封じ込めが求められる予定である3)。 文献3, 5)より作成 疑似ウイルスを用いた中和抗体価測定試験法の開発 一方、感染性ウイルスを産生しない疑似ウイルスを用いた、ポリオウイルスに対する新たな中和抗体価測定試験法が開発された。国内では、ポリオウイルスに対する中和抗体の保有率調査が行われているが、2型ポリオウイルスの管理基準が厳格になり、中和抗体価測定試験におけるウイルスの使用が制限され、試験を継続するための方法論が模索されている。そのなかで、国立感染症研究所と富山県衛生研究所との共同研究により、疑似ウイルスを用いた中和抗体価測定試験法が開発された。疑似ウイルスは、感染性ウイルスを産生しないため、ウイルスが伝播するリスクがない。ワクチン株のカプシド*5をもった疑似ウイルスを用いた中和試験は、感染性ウイルスを用いる従来法と一致した測定結果を与えることが明らかにされ、厳格なウイルス管理条件の下でも、中和抗体保有率調査を継続できる見通しを与えるものと期待されている6)。 *1  cVDPV(circulating vaccine-derived poliovirus): 伝播型ワクチン由来ポリオウイルス *2  VDPVs(vaccine-derived poliovirus): ワクチン由来ポリオウイルス *3  VPD(vaccine-preventable disease): ワクチンで予防できる疾患 *4  GAP-Ⅲ: WHO global action plan to minimize poliovirus facility-associated risk after type-specific WPV eradication and sequential cessation of oral polio vaccine use *5  カプシド: ウイルスの核酸を包み込む殻を構成するたんぱく質 文献 GPEI: Polio Endgame Strategy 2019-2023. 2019. 国立感染症研究所ほか: IASR. Vol.37 p22-24, 2016年2月号. WHO: Wkly Epidemiol Rec. 94 (39): 441-448, 2019. 第17回厚生科学審議会感染症部会 資料5. 2016年6月10日. WHO WPRO: Seventh Meeting of Vaccine-Preventable Diseases Laboratory Networks in the Western Pacific Region. September, 2017. 国立感染症研究所: 疑似ウイルス中和試験で明らかにされた野生株および ワクチン株ポリオの抗原性の違い. 2019年8月26日(Arita M, et al.: Sci Rep. 9(1): 11970, 2019).

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2019年10月号     

日本脳炎ワクチンに関する勧告―米国CDC・予防接種諮問委員会

2019年9月号     

インフルエンザの流行解析とインフルエンザワクチン株の選定― 日本、米国

2019年8月号     

麻しんのアウトブレイクに係る費用を考察する

2019年7月号     

ポリオ―世界における根絶に向けた進展状況、2017年1月~2019年3月

2019年6月号     

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