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2  今シーズンのインフルエンザワクチンとワクチンの有効性について教えてください。インフルエンザの予防には、ワクチン接種を毎年継続したほうがよいですか?

3  不活化インフルエンザワクチンの接種にあたり、薬剤(免疫抑制剤や抗がん剤、γ-グロブリン製剤、抗微生物薬など)、他のワクチン、麻酔との関係や注意点について教えてください。

4  小児におけるインフルエンザワクチンの用法・用量と有効性・安全性について教えてください。

5  他のワクチンとの接種間隔はどのように考えたらよいでしょうか?また、同時接種について教えてください。

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2019年10月号

日本脳炎ワクチンに関する勧告―米国CDC・予防接種諮問委員会

日本脳炎の疫学―全世界 ■地理的分布と広がり日本脳炎(Japanese encephalitis: JE)は、アジアのほぼ全域、および西太平洋地域で広く発生している。20世紀前半には、主に日本・韓国・台湾・中国などの温帯地域でみられたが、その後、南方や西方へ広がり、東南アジア・インド・バングラデシュ・スリランカ・ネパールからも報告が増加した。1990年代には東方へ広がり、サイパン島やオーストラリア(トレス海峡の島と本島北部)でもみられた。さらに最近では、チベットやネパールの山岳地帯など新たな地域からも伝播が報告されている(図1)。 図1. 日本脳炎の主な侵淫地域 文献2)より このように、JEの地理的分布が拡大している理由は明らかになっていないが、人口移動や、気候・生態系・農業・畜産業の変化、あるいは渡り鳥の行動パターンが関係している可能性がある。JEはこれらの要因によって、アジアや西太平洋地域を超えて、さらに広がる恐れがある。 ■罹患率2011年に、当時の予防接種プログラムの状況を考慮して行われたシステマティックレビューでは、世界におけるJE症例の年間発生数は67,900例、罹患率は1.8例(人口10万人対)で、年齢層別では15歳未満の罹患率が高く、5.4例(人口10万人対)と推計されていた。しかしながら、罹患率は年度や地域により幅がある。予防接種プログラム導入前は、アジアの最もハイリスクな地域の罹患率は年間20例(小児人口10万人対)であったが、現在、接種率の高い予防接種プログラム導入国では、罹患率は年間1例未満(小児人口10万人対)である。 ■年齢層別発症パターンJEの侵淫地域では、患者の割合は15歳未満の小児がもっとも多く、大部分の成人は自然感染により防御可能な免疫を有しているとされる。しかし、小児のJE予防接種プログラムがある地域では、JEの罹患率が全体的に減少し、成人で発生する割合が比較的高くなっている。日本・中国・インドでは、高齢者を中心とした発生が報告されている1)。 米国の渡航者における日本脳炎罹患状況 米国民のうち、年間約400~500万人がアジアへ渡航しており、過去25年間に12例のJE症例報告があった。それに基づき、米国のアジア渡航者におけるJE罹患率は、1例未満(100万人対)と推計された。患者の渡航期間は10日~約3年と幅があり、8例(67%)は1か月以上の長期渡航者であった。4例は短期渡航者で、うち3例は3~4週間未満、1例は10日間であった。短期渡航者のうち、1例は大部分を地方で過ごし、2例は都市部に滞在していたが、少なくとも一回は、地方へ泊まりがけの旅行を行っていた。米国民のうち、年間約400~500万人がアジアへ渡航しており、過去25年間に12例のJE症例報告があった。それに基づき、米国のアジア渡航者におけるJE罹患率は、1例未満(100万人対)と推計された。患者の渡航期間は10日~約3年と幅があり、8例(67%)は1か月以上の長期渡航者であった。4例は短期渡航者で、うち3例は3~4週間未満、1例は10日間であった。短期渡航者のうち、1例は大部分を地方で過ごし、2例は都市部に滞在していたが、少なくとも一回は、地方へ泊まりがけの旅行を行っていた。 日本脳炎ワクチンの接種推奨―米国CDC・ACIP ACIPは、米国の海外渡航者および研究施設勤務者へ、日本脳炎ワクチンの接種を推奨した。推奨内容の概要は、次の通りである。 ■海外渡航者への推奨JE流行国へ渡航する大部分の米国渡航者のJEリスクは非常に低いが、一部の渡航者は、計画している旅行内容により感染リスクが増加する。リスク増加の要因は、1)長期渡航、2)流行季節の渡航、3)地方滞在、4)広域な野外活動への参加、5)エアコン・網戸・蚊帳などのない宿泊施設への滞在が挙げられる。医療従事者は、それぞれの渡航者の渡航計画をもとに、蚊の刺咬とJEウイルス感染のリスクを評価し、リスク低減の方法を検討する必要がある(図2)。 日本脳炎ワクチンは、JE侵淫地域への移住者、長期(1か月以上)渡航者、頻繁な渡航者に推奨される。短期(1か月未満)渡航者であっても、渡航期間・季節・場所・行動内容・宿泊施設によりリスクが増加する者は、接種を検討すべきである。また、JE侵淫地域へ渡航する者で、渡航期間や行先、行動内容を決めていない者も接種を検討すべきである。なお、都市部に限定した短期渡航や明確なJE流行季節以外の旅行など、非常に低リスクの渡航者には日本脳炎ワクチン接種は推奨されない(図2)。 図2. 日本脳炎侵淫地域へ渡航する米国の渡航者に対する日本脳炎ワクチンの接種推奨 文献1)より改変 ■研究施設勤務者への推奨研究施設では、JEウイルスに偶発的に経皮感染したり、理論的には、吸入や粘膜を介した曝露により感染する可能性もある。弱毒ワクチンウイルス(SA14-14-2株)以外のJEウイルスに曝露の可能性があるすべての研究施設勤務者に、日本脳炎ワクチンの接種が推奨される。 ■米国の日本脳炎ワクチン米国では、Vero細胞培養の不活化日本脳炎ワクチン1製品(Ixiaro®)が使用されている。アジュバントとして水酸化アルミニウムが添加されており、剤型はプレフィルドシリンジである。接種回数は2回*で、接種方法は筋肉内接種、適応は生後2カ月からであり、用法・用量も日本で承認された日本脳炎ワクチンとは異なるので、注意が必要である1)。 *継続的な曝露または再曝露が予想される場合は、追加接種を行う。 日本脳炎ワクチンを使用の際は、製品添付文書をご確認ください。 文献 CDC: MMWR Recomm Rep. 68(2): 1-33, 2019. CDC: Geographic Distribution of Japanese Encephalitis Virus.

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