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Vol.06

新型コロナワクチンとインフルエンザワクチン<br>~同時流行に備える2シーズン目に向けた現状と対応~

1.新型コロナワクチンの接種状況と有効性 ■海外および国内の接種状況世界の新型コロナワクチンの接種状況は、Oxford大学のデータによると、接種完了者の割合は31.85%、1回以上接種者は44%である。1回以上接種者の割合を国別にみると、UAE(91%)、ポルトガル(87%)、スペイン(80%)、シンガポール(79%)の順に多い(図)(2021年9月20日時点)1)。 国内の接種状況は、1回以上の接種率が66.5%、2回完了は54.4%で、高齢者(65歳以上)は1回以上: 90.1%、2回完了: 88.6%となっている。都道府県別にみると1回目は、群馬(66. 80%)、山口(65. 64%)、福井(65. 45%)、長崎(65.16%)、新潟(64.58%)の順に高く、沖縄(54.43%)、栃木(55. 50%)、大阪(56. 04%)、埼玉・京都(各56.48%)の順に低い。これまでの総接種回数は、1億5,311万8,707回となっている(2021年9月21日公表)2)。■国内における新型コロナワクチンの有効性に関する検討国立感染症研究所は、国内における新型コロナワクチンの有効性に関する検討報告を2報発表した。 1)Test-negative designの手法による検討 一つは、2021年6-7月に、東京都内の5か所の医療機関の発熱外来等を受診した者を対象として、Test-negative design(症例対照研究)の手法で検討した研究である。方法を表1aに示す。解析対象の基本属性は、年齢中央値(範囲):33(20-83)歳、男性: 546名(48.3%)、女性:584名(51.7%)、基礎疾患を有する者: 267名(23.6%)であった。ワクチン接種歴は、未接種:914名(83. 4%)、1回接種: 141名(12. 9%)、2回接種: 41名(3.7%)で、使用ワクチンは、モデルナ: 105名(59.3%)、ファイザー: 68名(38.4%)、不明: 4名(2.3%)であった。結果(ワクチン有効率)を表1bに示す。1回接種14日以降2回接種13日まででは76%、2回接種では91%、2回接種14日以降では95%であった。 ワクチン接種後14日以上経過した者は未接種者と比較して、有意に感染のオッズが低く、国内でも現時点で承認されているワクチンの新型コロナウイルス感染症の発症に対する有効性が示された。また、接種回数・(短期的には)接種からの期間が長くなるにつれて有効率が高くなる傾向がみられた(表1b)。2回接種者では高いワクチン有効率を認めたが、人口に占める2回以上接種者の割合が小さく、2回接種後14日以降に診断された者(いわゆるブレイクスルー感染例)は1名のみであり、今後の解析で変動する可能性がある。ただし、諸外国の実社会におけるワクチン有効性評価と概ね一致するものであり、例えば、英国からの報告では、接種間隔がわが国とは異なるものの、ファイザー社製ワクチン(BNT162b2)の接種者におけるB.1.1.7系統(アルファ株)に対する有効率は93.7%(95%CI: 91.6-95.3%)、B.1.617.2系統(デルタ株)に対する有効率は88.0%(95%CI:85.3-90.1%)であった3)。 2)サーベイランスデータに数理モデルを適用することによる新型コロナワクチンの有効性もう一つは、サーベイランスデータとワクチン接種者数データに数理モデルを適用して新型コロナワクチン(ファイザー社製)の有効性(vaccine effectiveness: VE)を検討した研究である。2021年6月21日から7月20日に診断された者における性別・年齢別のVE推定値が検討された。結果を表2に示す。20-59歳の1回接種で男性:47.5-55.4%、女性: 32.5-50.2%、60歳以上では1回接種で男性: 73.7-83.9%、女性: 75.7-81.2%であった。2回接種を完了後2週間以上経過した者の間では、20-59歳で男性: 89.6-93.4%、女性:85.4-91.8%、60歳以上で高齢者では高い値が得られ、2回接種で男性: 94.7-96.9%、女性: 92.6-96.1%であった。20-59歳の推定値は英国の既報と同程度であった4)。 ■ブレイクスルー感染者からの感染伝播性についてまた、国立感染症研究所は、ブレイクスルー感染(ワクチン既接種者における感染)についても、次のようにまとめている。諸外国の複数の知見から、ブレイクスルー感染があり得ること、ブレイクスルー感染者が(ウイルスを排出する期間が短くなり、未接種者に比べ相対的にリスクは低下している可能性はあるものの)二次感染を引き起こし得ることが示されている。ワクチン既接種者は未接種者に比べて、デルタ株の感染および発症リスクは低下しているものの、感染者数が多い状況では、ワクチン既接種者も場面に応じた基本的な感染防止対策の継続が必要であると考えられる5)。2.新型コロナワクチン接種の注意事項国内では複数の新型コロナワクチンが使用されている。製品により、用法・用量(接種量、接種間隔、対象年齢など)が異なるため、十分注意が必要である。製品間の互換性データはなく、同一の者には原則として、同一のワクチンを使用する。また、新型コロナワクチンと他のワクチンを同時接種することはできない。新型コロナワクチン接種の前後に他の予防接種を行う場合は、原則として、13日以上の間隔をおく6)※注。小児への接種については、日本小児科学会が考え方を公表している。それによると、1. 子どもに関わる業務従事者等へのワクチン接種が重要である、2. 重篤な基礎疾患のある子どもへの接種により、COVID-19の重症化を防ぐことが期待される、3. 12歳以上の健康な子どもへの接種も意義があるとし、一方で、小児は副反応の出現頻度が高く、本人や養育者に接種前の十分な説明と接種後の健康観察が必要と考える7)としている。※注)新型コロナワクチンの交互接種、同時接種について、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で検討が行われている(2021年9月17日時点)。 3.インフルエンザとの同時流行に備えて これからインフルエンザの流行シーズンを迎え、COVID-19とともにインフルエンザに対する予防や対応も必要な時期になる。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とインフルエンザウイルスの同時感染について、これまで症例報告は多くあったが、系統的に解析されたものはなかった。英国のStoweら8)は、Test-negative designの手法で、インフルエンザ検査陽性例における新型コロナウイルス同時感染のリスクについて検討した。その結果、インフルエンザ検査陽性例は、新型コロナウイルス検査陽性リスクが58%低かった。しかし、同時感染症例の死亡リスクは、インフルエンザ及び新型コロナウイルスの両方に陰性の症例よりも5.92倍高く(95%CI: 3.21–10.91)、新型コロナウイルスのみの感染例の死亡リスクは2.61倍高かった(95% CI: 2.36-2.88)(同時感染者は、新型コロナウイルスのみの感染者より死亡リスクが約2倍高い)。また、人工呼吸器使用/死亡、ICU入室/死亡という複合転帰のオッズも、同時感染症例では高いと報告している。 米国CDCは、COVID-19パンデミック時の予防接種ガイダンス(暫定版)を公表し、パンデミック時であっても定期の予防接種やインフルエンザワクチンの接種を推奨している。そのなかで、インフルエンザワクチンについては、「重症化しやすいハイリスク者を守り、医療システムや重要な社会インフラを守るために、呼吸器の疾病負荷を削減させることが重要である」として接種を推奨している。 COVID-19に罹患しているまたは罹患後のインフルエンザワクチン接種の適切な時期については、データがない。さらに、一部の免疫抑制剤使用者ではインフルエンザワクチン接種の免疫応答が低下する可能性があるが、免疫抑制剤中止後のワクチン接種の適切な時期は不明である。個々のインフルエンザの合併症リスクや地域の流行状況などを考慮したうえで、接種時期を検討すべきとしている9)。 国内でも、日本ワクチン学会が「昨シーズンの流行規模が小さく感染者が少なかったことから感受性者の増加が危惧される。今冬の国民の感染症対策と医療体制の維持のため、今シーズンのインフルエンザワクチン接種について、強く推奨する」との見解を表明している10)。 厚生労働省によると、国内の2021/2022シーズンのインフルエンザワクチン供給量は、昨年の使用量よりは少ないが、例年の使用量に相当する程度の2,567~2,792万本(1 mL換算)が見込まれている(2021年9月1日時点)11)。 文献 Oxford University: Statistics and Research. Coronavirus(COVID-19)Vaccinations―Our World in Data. https://ourworldindata.org/covid-vaccinations 首相官邸ホームページ: 新型コロナワクチンについて. https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html 国立感染症研究所: 新型コロナワクチンの有効性を検討した症例対照研究の暫定報告(第一報). 2021年8月31日. 国立感染症研究所: サーベイランスデータに数理モデルを適用することによる新型コロナワクチンBNT162b2(Pfizer/BioNTech)の有効性の推定(第1報). 2021年9月1日. 国立感染症研究所: 感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について(第13報). 2021年8月28日. 厚生労働省: 新型コロナウイルス感染症に係る臨時の予防接種実施要領. 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会: 新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~. 2021年6月16日. Stowe J et al.: Int J Epidemiol. 2021 May 3. Online ahead of print. CDC: Interim Guidance for Routine and Influenza Immunization Services During the COVID-19 Pandemic. April 6, 2021. 日本ワクチン学会: 2021-22シーズンの季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解. 2021年6月22日.第26回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会. 資料1. 2021年9月1日.

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