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4  小児におけるインフルエンザワクチンの用法・用量と有効性・安全性について教えてください。

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2019年2月号

予防接種への躊躇(vaccine hesitancy)― その定義と対応

VHとは ‘Hesitant’, ‘hesitate’, ‘hesitancy’という語は、1994年に初めて使用され、当時は、「医師が予防接種を不本意ながら実施する」という今とはまったく異なる意味であり、2004年から「保護者や被接種者の躊躇」という意味で使用され始めた1)。2014年以降、世界でVHの報告データがある国の割合は、年々増加して83%に上り、VHのアセスメント実施国も37%に増加している。VHがまったくないと報告している国は、世界で7カ国に過ぎない2)。 WHO SAGE*はVHワーキンググループ(以下、ワーキンググループ)を設立し、2011年にVHの定義を定めた。行動の定義として、「予防接種を受けられる状況にあるにもかかわらず、接種を遅らせたり拒否したりすること」とし、VHは複雑で特異的な現象で、時・場所・ワクチンにより異なるとした。そして、VHは、不信(ワクチンや医療従事者を信用していない)や無関心(ワクチンの必要性や効果を認識していない)、利便性(予防接種の受けやすさ)にも影響されると結論づけた。利便性には物理的な入手可能性、地理的アクセスのほかに、理解力(言語や健康知識の問題)も含まれ、最終的には、保護者がワクチンの効果を理解しアクセスがよくとも、家庭内の抑圧や多忙な生活のために予防接種を優先事項とみなさないこともVHの範疇に含まれる。以上から、ワーキンググループによるVHの定義は幅広い1)。 *SAGE: Strategic Advisory Group of Experts on Immunization(予防接種に関する戦略的諮問委員会) VHへどのように対応すべきか VHを回避するための重要ポイントとして、以下の項目が挙げられる。 1. 初産婦への教育は手厚く 予防接種を躊躇する人々は、保護者、妊婦、地域の指導者などさまざまである3)。オーストラリアの妊婦を対象とした研究では、同じ妊婦でも初産婦か経産婦かでVHの程度が異なることが示された。初産婦は経産婦よりもワクチンの安全性や有効性に対して懸念を抱いており、ワクチンで予防可能な疾患(VPDs: vaccine preventable diseases)は重大ではなく、罹患して自然免疫を獲得したほうが望ましいと信じていた。そして、初産婦のほうが経産婦よりも予防接種を躊躇する傾向があり、児の予防接種の意思決定ができていなかった(初産婦73% vs経産婦 89% ; p<0.001)。この結果から、助産師や産婦人科医による妊産婦(特に初産婦)への予防接種教育がVHを回避するために重要である4)。 2. 対象者の要望に応じた情報提供の実施 オーストラリアで、5歳未満児をもつ保護者を予防接種に対する態度や関心別にグループ分けして、予防接種に関して必要としている情報を比較検討した研究が行なわれた。VHがもっとも少ないグループでは、予防接種でよくある質問が書かれた情報源を再確認する程度であるが、VHの程度が高いグループほど求める情報の量と質が高く、差があることがわかった。以上から、保護者によって必要としている情報が異なり、それに応じた介入が重要である5)。 3. 医療従事者の介入 医療従事者からの推奨は、保護者や被接種者が予防接種を受け入れる際の重要な決定因子である。保護者などとのコミュニケーションで信頼を得て、建設的な会話をするためにはツールが重要である。カナダで実施されたMotivational Interviewing(以下、MI)法を用いた研究では、その効果が示されている3)。MI法は1980年代に依存症治療で用いられ、患者の内的モティベーションを強化して、自己の迷いを探索し解決して変わる患者中心のアプローチの介入法である6)。この研究では、被接種者への共感を重要視しながらコミュニケーションを展開し、保護者の立場を理解し、予防接種を受容することで得られる有益性を示していくことで、接種を受ける意思へ仕向け、実際の接種へつながるよう実施された3)。その結果、ケベック州の3,300超の家庭を対象とした予備研究では、介入後、生後2カ月児をもつ保護者のワクチン接種の意思決定が15%増加し、無作為化比較試験(RCT: randomized controlled trial)では、保護者の意思決定が12%増加した6)。 まとめ VHの問題を解決するには、すべてに通用する戦略はないこと、国、研究者、医療従事者、公衆衛生の専門家は、連携した努力が必要であり、長期に亘り持続させなければならないことを理解したうえで前述したような対応が求められる3)。 文献 Bedford H, et al.: Vaccine. 36(44): 6556-6558, 2018. WHO: 2018 Assessment report of the Global Vaccine Action Plan. 2018. Thomson A, et al.: Vaccine. 36(44): 6457-6458, 2018. Danchin MH, et al.: Vaccine. 36(44): 6473-6479, 2018. Berry NJ, et al.: Vaccine. 36(44): 6480-6490, 2018. Gagneur A, et al.: Vaccine. 36 (44): 6553-6555, 2018.

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