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1  インフルエンザワクチンの接種回数と2回接種の場合の接種間隔についての考え方を教えてください。また、接種時期はいつがよいでしょうか?

2  今シーズンのインフルエンザワクチンとワクチンの有効性について教えてください。インフルエンザの予防には、ワクチン接種を毎年継続したほうがよいですか?

3  不活化インフルエンザワクチンの接種にあたり、薬剤(免疫抑制剤や抗がん剤、γ-グロブリン製剤、抗微生物薬など)、他のワクチン、麻酔との関係や注意点について教えてください。

4  小児におけるインフルエンザワクチンの用法・用量と有効性・安全性について教えてください。

5  他のワクチンとの接種間隔はどのように考えたらよいでしょうか?また、同時接種について教えてください。

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2019年12月号

A型肝炎の流行と疫学的特徴―日本、米国

国内のA型肝炎の発生動向と分子疫学的特徴 ■発生動向近年、国内のA型肝炎の報告数は、年間100~300例で推移していたが、2018年は925例(2019年6月17日時点)と突出して多かった。患者の年齢中央値は、2015-2017年は44歳(範囲: 0-99歳)であったのに対し、2018年は37歳(範囲:2-87歳)と低下した。性別の割合は、2015-2017年(男性:61%、女性: 39%)に比べて、2018年は男性の割合が高かった(男性: 90%、女性: 10%)。推定感染経路は、経口感染が減少した(2015-2017年: 74%→2018年: 38%)。一方で、性的接触は増加した(2015-2017年: 4%→2018年: 53%)1)。 ■流行ウイルスの遺伝子型2018年のA型肝炎患者485例の糞便、または血清から検出されたA型肝炎ウイルス(HAV)の遺伝子解析を行ったところ、遺伝子型の内訳は、IA: 474例(97.7%)、IB: 3例(0.6%)、IIIA: 8例(1.6%)であった。IAのうち、90.5%は塩基配列がほぼ同一で、台湾(2016年)、およびヨーロッパ(2017年)の男性間性交渉者(MSM)間で流行が報告されたRIVM-HAV16-090株と一致した1)。 2019年初頭に国内の広域で発生した食中毒疑いA型肝炎事案2019年初頭には、東北・北陸地方を中心に20都道府県などから、44例のA型肝炎患者が報告された(2019年2月21日時点)。そのうち32例の糞便検体から、塩基配列JP-HAV19-00758クラスターに分類されるHAVが検出された。これは、2017年流行株や2018年にMSM間で流行したRIVM-HAV16-090株とは系統樹上、異なるクラスターに属する1,2)。 この32例は、特定の遺伝子配列のHAVが検出された広域的な食中毒疑い事案とされ、食中毒調査が行われた。各都道府県などは、患者に対して潜伏期間内(発症前14~50日間)の喫食品や生カキの喫食の有無などの調査を行ったが、共通する喫食歴や要因は認められなかった。A型肝炎は、発症するまでの潜伏期間が長いことなどから、十分な疫学情報を得ることは難しい。本事案では、患者間の疫学的な関連性や感染源が特定されず、食中毒事例と判断されたものはなかった2)。 わが国では、60歳未満のHAV抗体保有率は1%と推定され非常に低く(図13))、HAV感受性者が大多数のため、A型肝炎の流行が起こる危険性は、以前と比べて格段に増大している。感染源や感染経路対策に留まらず、個人の積極的な予防対策、感染症に対する意識向上が望まれる1)。 図1. A型肝炎患者の年齢分布*(2015年1月-2019年3月)と健常人における抗体保有率(2013-2017年) 文献3)より 米国における飲料水関連のA型肝炎アウトブレイク 1971-2017年の間に、米国の「水系感染症アウトブレイクサーベイランスシステム(the Waterborne Disease and Outbreak Surveillance System:WBDOSS)」に報告された飲料水関連のA型肝炎アウトブレイクを分析した報告書が公表された。期間中に報告されたアウトブレイクは32件、患者数は857例で、すべて2010年以前であった。 給水システム別にみると、もっとも多かったのはindividual water system*1(13件[41%]・257例[30.0%])※1で、次いで、community water system*2(10件[31%]・241例[28.1%])※1、noncommunity water system*3(9件[28%]・359例[41.9%])※1であった。飲料水関連アウトブレイクの大部分が、地下水(30件[94%]・804例[93.8%])※1や未処理の水(23件[72%]・585例[68.3%])※1に関連していた。 飲料水関連のアウトブレイクの発生頻度は、米国CDC*4・予防接種諮問委員会(ACIP*5)によるA型肝炎ワクチンの接種推奨や小児の定期接種への導入、および米国環境保護庁(USEPA)による公共地下水システムの規制により、近年顕著に減少した(図2)。1995-2009年は、飲料水系のアウトブレイク4件、患者数は35例で、2009年7月以降、水関連アウトブレイクは報告されていない。 図2. 飲料水に関連するA型肝炎のアウトブレイクの発生件数(1971-2017年)と患者の発生率(1971-2016年)―米国 文献4)より 米国では、居住者約4,300万人、もしくは人口の13%が、地下水源を主とするindividual water systemから供給を受けている。最近、A型肝炎のヒト-ヒト感染が増加していることから、糞便中のHAVに汚染された私有の地下水からアウトブレイクが再興する可能性があり、こうしたindividual water systemは、飲料水関連アウトブレイクでもっともハイリスクである。CDCは、井戸所有者に、最低でも年1回の水質検査を推奨しており、他の安全対策(水処理や予防接種など)とともに公衆衛生教育も必要とされている4)。 ※1: カッコ内は、それぞれアウトブレイクの発生件数[割合]・患者数[割合]を示す。 *1   Individual water system: 水道事業体の所有・運営でない小規模給水シ ステム。個人所有の井戸や湧水など。 *2   Community water system: 地域などの定住者へ供給する水道事業体。 *3   Noncommunity water system: 定住施設以外の施設(公共施設・工場・ キャンプ場・公園・ホテルなど)へ供給する水道事業体。 *4   米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention): 米国疾病 管理センター *5   ACIP(Advisory Committee on Immunization Practices): 予防接種 諮問委員会 文献 国立感染症研究所ほか: IASR. Vol.40 p150-151, 2019年9月号. 国立感染症研究所ほか: IASR. Vol.40 p155-156, 2019年9月号. 国立感染症研究所ほか: IASR. Vol.40 p147-148, 2019年9月号. CDC: MMWR. Morb Mortal Wkly Rep. 68(35): 766-770, 2019.

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