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Vol.04

世界の定期予防接種率とインフルエンザワクチンの接種率

1.世界の定期予防接種率―2019年 2020年のWHO総会で承認された「Immunization agenda 2030(IA2030)」の目標は、生涯を通してワクチンで予防できる疾患(vaccine-preventable diseases: VPDs)への罹患とそれによる死亡を低減させることである。 WHOおよびUNICEFによると、2010-2019年の世界全体における3種混合ワクチン1回目(DTP1)の接種率は89-90%、同ワクチン3回目(DTP3)は84-85%でほぼ変化がなかった。2000-2019年の間にDTP3の接種率が低下したのは1地域で、WHOアメリカ地域であった(91%→84%)。2019年のDTP1の接種率は、WHOアフリカ地域の81%からWHOヨーロッパ地域の97%まで地域格差がある。DTP3の接種率も同様に、WHOアフリカ地域の74%からWHOヨーロッパ地域の95%まで地域格差がある(図1)。世界全体で2019年には、1,970万人の小児がDTP3回シリーズの接種を完了しておらず、そのなかの70%(1,380万人)は1回も接種を受けていない「zero-dose children」である。また、30%(590万人)は接種を受けたことはあっても完了できていない接種未完了児である。2019年のDTP1からDTP3までのドロップアウト率は6%で、WHO西太平洋地域の1%からWHOアフリカ地域の9%まで地域格差がある。 Zero-dose childrenの人数は、地域と経済状況により異なるが、2000年と2010年を比較すると多くの地域で減少し、増加が認められる地域でもわずかな増加にとどまった。しかし、 2010-2019年には、zero-dose childrenはWHOアフリカ地域(610万人→680万人)、およびWHOアメリカ地域(50万人→150万人)、WHO西太平洋地域(90万人→120万人)で増加した。 Zero-dose childrenの割合は、2000年には低所得国でもっとも高かった(88% ; 1,890万人)が、2019年では中所得国の割合がもっとも高くなった(69% ; 950万人)(図1)。 文献1)より作図 この変化は、主として2000年から2019年の間に36の国が低所得国から中所得国へと経済状況が発展したことと、zero-dose children の人数が、2000年および2019年の両方で中所得国に分類された63か国のうち、32か国(51%)で増加したためである。2019年には、1,060万人(77%)のzero-dose childrenが、Gavi, the Vaccine Allianceから予防接種や保健制度強化のための資金援助を受けた国に居住していた。 2019年には、zero-dose childrenのおよそ3分の2(65% ; 900万人)が次の10か国に居住していた(ナイジェリア・インド・コンゴ民主共和国・パキスタン・エチオピア・ブラジル・フィリピン・インドネシア・アンゴラ・メキシコ)。2019年の全世界のzero-dose childrenのうち、政治的に脆弱な国や紛争の影響下にある国に住む小児の割合は44%に上った。 その他のワクチンの2010-2019年の接種率は、以下の通りであった。麻しん含有ワクチン1回目(MCV1)の世界全体での接種率は84-85%でほぼ変化がなく、2019年ではWHOアフリカ地域の69%からWHOヨーロッパ地域の96%まで地域格差があった。麻しん含有ワクチン2回目(MCV2)の接種率は、42%から71%に上昇した。MCV2を導入していない国も含めると、2019年ではWHOアフリカ地域の33%からWHOヨーロッパ地域およびWHO西太平洋地域の91%まで地域格差がある。世界全体で使用がまだ少ないワクチンの2010-2019年の接種率は、ロタウイルスワクチン全接種回(8%→39%)、結合型肺炎球菌ワクチン(11%→48%)、風しん含有ワクチン(1回目: 35%→71%)、ヒブワクチン(40%→72%)、B型肝炎ワクチン(出生時: 26%→43%、3回シリーズ: 73%→85%)、HPVワクチン(3%→15%)と上昇した。 1974年に予防接種拡大計画(EPI: Expanded Program on Immunization)が策定されてから、世界の予防接種率は着実に向上してきた。2019年には、90%の小児が少なくともDPT1の接種を受け、85%の小児はDTP3およびMCV1の接種を受けた。定期の予防接種率はより高くなってはいるが、課題は残っている。2000-2010年までは接種率の大幅な上昇がみられたものの、2010年以降はわずかな上昇にとどまっており、地域により進捗は様々である。WHOアフリカ地域は他の地域よりも遅れており、WHOアメリカ地域では後退した。 Zero-dose childrenの数は、低所得国、政治的に脆弱な国、紛争の影響のある国で多いが、中所得国での割合が増加している。これは、国の経済状況が上昇すると外資が得られにくくなるため、予防接種プログラムへ内資を増やす必要性が増すからである。 COVID-19パンデミックが続くなか、各国は予防接種プログラムを維持する努力をしているが、医療従事者の人員や防護具が削減され、ワクチン分配の遅れや予防接種の需要も低下して、2020年に予防接種を受けた小児はより少なくなっている。パンデミックで生じたワクチンギャップを埋めるには、予防接種プログラムを後退させているものをモニタリングし、キャッチアップ接種戦略を実施し、定期接種を強化することが求められるであろう1)。 2.インフルエンザワクチンの接種率 経済協力開発機構(OECD)が公表している2019年までの最新データによると、65歳以上のインフルエンザワクチン接種率が高い国には、韓国(85.1% , 2018年)、UK(72.0% , 2018年)、米国(68.7% , 2018年)などがある。一方、日本の65歳以上の接種率は48%(2017年)である2)。 ■韓国韓国では、1997年に暫定のインフルエンザ予防接種プログラムが策定され、低所得の高齢者への無料接種が実施された。2005年にすべての65歳以上が無料の接種対象者となり、接種機関が民間の医療機関に変更されたことも加わり、接種率は80%を超えた。国産ワクチンを供給できるようになったことも接種率の上昇の一因とみられている3)。 ■英国(UK)イングランドの予防接種プログラムは1960年台後半に開始され、当初の対象はハイリスク集団であったが、すべての65歳以上の者、妊婦、小児へと拡大してきた。近年、UK各国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)は、いずれもインフルエンザワクチンの接種率が高く、欧州各国をリードしている。高齢者のみならず、慢性疾患患者、妊婦、医療従事者の集団でも接種率は高い。 2019/2020シーズンは無料接種対象者を2,500万人としていたが、2020/2021シーズンは3,000万人に拡大し、これら対象者の接種率が75%以上になるよう接種を呼びかけた4)。 ■米国米国では、予防接種に係る費用は民間の医療保険の多くで償還対象としている。対象でない場合、CDCが行うVaccine for Children(VFC)プログラムに参加している州では、一定範囲の小児に定期接種ワクチンを無料で入手できる5)。米国では、薬局でも予防接種を実施しており、2020/2021シーズンの成人のインフルエンザワクチン接種回数は、薬局が医師のいる医療機関を上回っている。両者の合計を2019/2020シーズンと比較すると、2020/2021シーズンが上回っている(図2)(2020年11月時点)6)。 文献6)より ■オーストラリアOECDデータに直近のデータはないが、オーストラリアのインフルエンザワクチン接種率も高い。同国では、インフルエンザの無料接種対象者に、生後6か月以上5歳未満児、生後6か月以上のハイリスク者、妊婦、高齢者、アボリジニおよびトレス海峡諸島に居住する生後6か月以上の者を定めている7)。2020年12月13日時点での国民全体の接種率は84.2%、5歳未満: 77.8%、5-17歳: 63.8%、18-64歳: 82.7%、65歳以上:93.9%、医療従事者: 94.0%となっている8)。 文献 WHO: Wkly Epidemiol Rec. 95(46): 557-556, 2020. OECD: Health care use - Influenza vaccination rates. Yun JW, et al.: Infect Chemother. 49(4): 247-254, 2017. GOV. UK.: Health matters delivering the flu immunisation programme during the COVID-19 pandemic. Published September 29, 2020. 第14回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会. 資料7. 2010年10月6日. CDC: Weekly National Flu Vaccination Dashboard Influenza(Flu). December 9, 2020. Australian Government Department of Health: Flu(influenza) immunisation service. Australia: FluTracking. Weekly Interim Report: Australia. Week ending December 13, 2020.

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インフルエンザとCOVID-19

Vol.02     

インフルエンザワクチン接種の重要性と院内感染対策~新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行に備える~

Vol.01     

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)~これまでの知見とワクチン関連の話題~

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