COVID-19ワクチンの安全性監視システム―米国

2021年2月18日

COVID-19ワクチンの接種を開始した米国では、従来の安全性監視システムに加えて、新たな方法による監視システムも導入し、予防接種後の安全性監視体制を強化している。

米国食品医薬品局(FDA)は、ワクチン製造企業および大規模臨床試験のデータで安全性と有効性が示された2つのCOVID-19ワクチンに、緊急使用許可を出した。
米国では、ワクチンが承認、あるいは使用認可されると、多くの安全性監視システムにより有害事象(副反応疑い)の監視を行う。この継続した監視により、臨床試験ではみられなかった有害事象を見出すことができる。もし予期されていない有害事象がみられた場合は、専門家は直ちに、それが真に安全性に関わるものかどうかをさらに評価し、国の推奨ワクチンとしての必要性を変更するかどうかを決定する。この監視システムは、ワクチン被接種者のリスクよりも、有益性が勝っていることを保証することに役立つ重要なものである。
米国の従来の頑健な安全性監視システムや情報源には、さまざまなものがある(表1)。

一般市民対象のものでは、国のシステムで有害事象報告を収集するVaccine Adverse Event Reporting System (VAERS)、積極的サーベイランスや研究を行い、VAERSの補足もするVaccine Safety Datalink (VSD)、専門家への照会やワクチンの安全性の研究を行うClinical Immunization Safety Assessment (CISA) Project、メディケア・メディケイドサービスなどによるMedicare dataなどがある。ほかに、軍人、退役軍人、先住民対象の安全性監視システムもあり、多くの監視システムが長年、稼働している1)

これらに加えて、COVID-19ワクチンの安全性監視では、新たに3つのシステムと情報源が用意された(表2)。

V-safeは、スマートフォンを利用した新たな予防接種後健康チェッカーで、登録した被接種者にテキストメッセージが定期的に送られ、回答はCDCのWeb調査にリンクする。テキストメッセージの送信頻度は、最初の週は毎日、その後は6週まで週1回で、3, 6, 12か月後には追加のチェックを行う。医学的に重要な事象を報告した人には、電話でフォローアップを行い、報告はVAERSに提出される。V-safeでは、2回目接種が必要な人へのリマインドも行う。CDCでは、医療従事者に対して、被接種者が抱くCOVID-19ワクチンの安全性への懸念に関して説明するとともに、V-safeへの登録やVAERSへの報告を勧めるよう呼びかけている2)
ほかに、急性期および長期療養施設の監視システムであるNational Healthcare Safety Network (NHSN)や、行政および保険請求データに基づくシステムで、サーベイランスや研究を行うOther large insurer/payer databasesも追加された。これらの安全性監視システムや情報源の追加により、CDCやFDAは、COVID-19ワクチンの安全性をリアルタイムで評価し、同ワクチンの安全性を可能な限り確保することが可能になるとしている1)

参考文献

  1. CDC: Ensuring the Safety of COVID-19 Vaccines in the United States. Updated Dec. 22, 2020.
  2. AAP: AAP News. Health officials using new smartphone tool, traditional systems to monitor COVID-19 vaccine safety. Dec. 4, 2020.

*これらの情報は上記文献等を参考に加工して作成したものです

キーワード

ワクラボでは医療現場ですぐに役立つ

ワクチン情報が満載です!!